Kさんのこと②

 Kさんのご主人から、Kさんが老人ホームに入るまでの経過を詳しく書いた手紙をいただいた。
 4年前に脳梗塞で倒れられ奇跡的に助かり、その後ご夫婦で暮らしておられた。介護施設のデイサービスや泊まり込み型のショートスティ、夕食の調理の応援などを受けて暮らしてこられたが、Kさんが気管支炎を患い病院に入院して点滴治療で病は直ったものの、脚力や握力が落ち、ベットから車いすに移れなくなってしまった。
 ご主人も左ひじが腫れ、腕に力が入りません。これ以上頑張ると自分も倒れると思い、介護老人ホームに入ることに決めたそうだ。
 幸い新築の桧造りのホームが見つかり入所したのだそうだ。
 私はこのことを聞いて、先日彼女を見舞ったのだが、久しぶりにKさんにお会いして嬉しくて思わぬ長居をしてしまって後悔していた。
 ところが、このご主人の手紙によると、Kさんは私が来たことが分かっていて、私の名前をちゃんと言ってくれたそうだ。
 今、彼女はリハビリを受けて、歩くことができるように頑張っているそうだ。
 また会いに行こう。私はその日を楽しみにしている。