読書

 井上靖氏の「補陀落渡海記(ふだらくとかいき)」と森田修二氏の「ねぐら探し」を読む。井上氏の「補陀落渡海記」は始めてみる小説だ。時代小説で、熊野の浜ノ宮海岸にある補陀落寺の住職金光坊が主人公だ。補陀落渡海せざるを得なくなった金光坊の気持ちが中心の小説だ。短くて読みやすいのだが、苦手な時代物語とあって、感想がなかなかまとまらない。
 森田氏の「ねぐら探し」は4編中の最終回で、これはまた現代の若者が主人公。ホームレスのげんさんと空き缶売りやごみ箱漁りの経験からどうやらこれからの生き方の方向が見えてきたようである。
 全然傾向が違う2作品、明日の批評会の意見が楽しみだ。