小笠原先生のお宅へ

 私のお茶の先生である小笠原先生が寝たきりになっておられると聞いたので一度訪ねたいと思っていたが、毎日暑くて決心出来かねていた。
 今日は意を決して思い切って出かけてみた。昼食を済ませた午後1時、ギラギラと照りつける太陽のもと、岩船海道を車を走らせた。
 先生の家に行かなくなってからそろそろ8年近くになる。その後3年ほどはお元気だったようだが寝たきりになって5年ほどになるらしい。
 先生は留守のようだった。市のデイサービスの日なのかもしれない。
門前から庭の様子を伺うと、中央の松の木が茶色く枯れてしまっている。、むくげの木、梅の木、萩も枝が伸び放題で築山も草ぼうぼうである。
 季節ごとにいろんな花が咲き、庭の花を摘んで茶花のお稽古をした日が懐かしい。
 会わない方が先生にとってもいいのかもしれないと思い、そのまま帰路についた。