佐藤愛子著「犬たちへの詫び状」を読んだ

「犬は犬らしくあれというのが、私の犬への期待である。
という書き出しで始まる佐藤愛子氏の「犬たちへの詫び状」を読んだ。
「色は何色でもいい。毛は長くても短くてもいい。……これは1番大事なことなのだが、尻尾はきりりと右に巻いていて、固い結び目のような薄茶色の肛門が、彼の勇気と緊張を語るように凛々しく締まっている……そういう犬が私の理想なのである。
 こう語る愛子氏の家にこういう理想の犬が来たことは一度もないのである。22ある物語に理想の犬は一度もないのである。でもどの犬も悠々としてのびのびと愛子氏の家の中で大切にされている。
 読んでいてとても面白かった。