桐蔭高校のライト

 ほとんど毎日、夕方5時頃に家を出て阪奈道路を通って石切神社に行く。途中、5時15分過ぎに、桐蔭高校の野球のグランドの横を通る。5時15分では練習場のライトはまだ点いてはいない。
 今日は5時26分にグランドの横を通った。ひときわ高く聳え立つ鉄塔に取り付けられたたくさんの照明、それが東西南北に4基、煌々と点いていた。最近では、この時間はもう暗い。
 5時40分、お百度踏み開始。願い事は諸々で、我が一族の健康、安全、幸せ、安定、いくらでもある。おまけに運動不足解消も兼ねている。 今日は誰も回っていない。もう少し早ければ10人位の人がいるのだが今日は元さんと私だけ。いつもならこの時間でも2〜3人はいるのだが。
 でも、お参りに来る人が次々とやってくる。2礼2拍1礼。いつも思うのだが、この神社をお参りする人は2拍の音が素晴らしい。パンパンと大きな澄んだ音を出して手を鳴らす。いつもお参りしている証拠だ。この辺の人は神社の前を通るとき必ず神社前で手を合わす。それが老若男女問わずなので、私は感心する。
 6時半にお百度踏みを終了して家路に着く。
 石切神社はお百度踏みには名があり、たくさんの人が訪れるので夜中でも出来るように門が開かれている。私たちが帰る頃、一人の男性が回り始めた。
 帰りも必ず桐蔭高校のライトを確認する。
「おい、点いているか」
元さんが聞く。運転しているからだ。
「点いてる、点いてる」
私は森の向こうに見えるライトを確かめて答える。7時少し前だ。毎日何時まで練習が続くのだろうか。土曜も日曜も同じ。
「そりゃ、あたりまえ」
 と元さんは言う。
そういえば、ヒロもコウジもそうだったなあ。