整骨院へ行く

 左手の親指の付け根の関節を傷めて整骨院に通っていたが、去年の年末にはほとんど良くなり、新年も調子よく迎えた。
 まだ関節が少しポコリと歪んで飛び出しているので、痛くなったら、その時に通院すればいいと思っていた。
 ところが、
「医者に行って来い」
と夫がしきりに言う。
「今日は、医者に行くんやろ」
と言うので、仕方なく重い腰が上がった。
 
 ころころとした体つきで、顔もまん丸の先生が
「こんばんわ、おめでとうございます」
とカーテンを持ち上げて入って来た。そして、
「おめでたくも無いか」
と一人で照れ笑いをした。

 またしばらく、この医院へ通うことになる。