母の命日に

 

 

 



   今日は母の命日。京都の東大谷にお参りした。
 紅葉の美しい季節に私の母は亡くなった。紅葉には少し早いからか、今日の京都は静かだった。
 東大谷では、境内にさざんかが美しく咲いていた。

 北山通りを通って、いつものように国際会議場の近くでお弁当を食べ、招善寺に行った。
 妹のお墓のある招善寺はつわぶきが美しく咲いていた。千両も可愛い赤い実をたくさんつけていた。
  
 私はずっと忙しく働いてきたので、母や妹とゆっくりした時間を過ごすことが出来なかった。
もし今まで長生きしてくれていたら、いろんな所へ一緒に行きたかったなあと悔しい気持ちでいっぱいである。車の運転もできるようになったし、父や母をいろんな所へ連れて行ってやりたかった。
 私が55歳で運転免許を取った時一度だけ、京都に住んでいた妹と堀川通りを車2台でツーリングした。妹の車の後を私が必死で付いて行った、今では懐かしい思い出である。それからしばらくして、妹はガンで亡くなった。退職して自由な時間が出来た私を、京都のいろいろな良い所に案内したかったようだったが……。