快方へ

 左手の親指の第2関節を痛め、6月17日から整骨院に行きはじめ、週2回必ず行って、早4ヶ月以上経った。
 指1本ぐらい、それも左手の指ならどおってことない、と思い勝ちだが、人間の体はうまく出来ていて、たとえ指1本でもちゃんと役割がある。
 何年か前に左の小指を痛めたことがあり、その時和服を着る機会があり、腰紐を縛るのに力が入らなくて、小指の大切さを思い知ったことがあったが、今回も親指の大切さを知らされることとなった。
 左の手の親指が使えないと、車のサイドブレーキが引けない。右手のつめが切れない。右手にシャワーを持って髪を洗う時、左手で水道の栓が開けられない。などなど……瞬間的に使ってしまって「痛いっ!」ということになる。

 せっせと医者へ通っても一向に良くならないときは、もう行くのは止めようかなと思ったりしたが、ここまで何とか続けて来て、最近ちょっと良くなった、楽になったなという気がする。
 親指の第2関節がちょっとずれてるらしいのだが、無理には入れられないらしくて、肘から指の先までに電気を当て、揉みほぐして、やっといろんな関節がやわらかくなってきたらしい。
 先生曰く、
「足より手の方がずっと複雑で大変なんや。手首の関節だけで、1軒の整骨院が食べていけるというくらいやから」
 だそうである。
私がこの先生に初めてかかった時、
「これを治すのが本来の整骨院の仕事だ」
と喜んで(?)くれたが、(肩こりなどの患者が多いからかな)なかなか快方に向かわない私の左手に、ずっと暗い顔だった。
 今日、その先生も、やっと私に笑顔を見せて下さった。