志賀直哉の観音像

 白樺派の作家、志賀直哉が文豪、谷崎潤一郎から譲り受けながら、戦後行方不明になっていた観音菩薩立像が、早稲田大学会津八一記念博物館に収蔵されていたことがわかったそうだ。(朝日新聞9月21日夕刊)
 直哉の奈良市高畑町にある旧居と周辺地区の保存に取り組む「白樺サロンの会」の代表等が確認した。
 その観音像は、直哉と谷崎が奈良市の骨董店で見つけ、谷崎が当時の3千円で購入。32年に直哉が譲り受け自宅客間に置いていたが、生活難のため手放したものだという。
 直哉は随筆「早春の旅」でこの観音像のことを記述している。

 直哉の長男、直吉氏は「父は仏像を見るのが好きだった」と述べているそうだ。