ならまち ①

 奈良の整骨院の帰り,「ならまち」をぶらぶらする。

 「ならまち」とは、特に元興寺の旧境内を中心とした一帯であり、今も残る江戸や明治期の町家が、当時の面影を伝えている。古くからの寺社はもちろん、創業百年を超える老舗商店、ぞくぞくとオープンする個性的なショップやギャラリーなど、新旧がともに生き、様々な一面を見せている町である。

 何だかほっとする町、一度行ったらまた行きたくなる町だ。

 何でも無い入り口を入ると、そこはおしゃれな雑貨店だったり、喫茶店だったりする。
ゆったり体が入る麻のブラウス、手作りのネックレス、何気ない形なのになぜか温かみのある食器、それらを見ながらぶらぶらすると、つい時間を忘れてしまう。
 その町の真ん中に「元興寺」がある。
ユネスコ世界文化遺産古都奈良の文化財」のひとつ。日本最初の本格的伽藍である飛鳥寺が平城遷都にともなって、新築移転されたのが元興寺である。
 その元興寺にお参りした。寺内にたくさん植えられた萩の濃い緑の葉が風にさわさわと揺れて、真っ青に晴れ渡った空と相まって、真夏の到来を感じさせた。