富山弁

 今日は朝から雨ふりだ。神戸に行く日だ。家からバス停までの1分程の間だけ傘がいる。後はほとんど屋根があるから濡れない。だから雨でも全然苦にならない。
 安田さんの「母なる村」は、私の故郷の富山が舞台だ。懐かしい富山弁がたくさん使われている。私は高校3年で富山を離れたが、生まれてから18歳までしゃべっていた言葉は忘れないものだ。この歳になってもアクセントは大阪弁では無いと思う。多分、「橋」と「箸」、「雨」と「飴」などは違うと思う。
 母を知らずに育った男性が35歳になって、自分が生まれた村を探し出して訪れる……母を知らずに育つとはどんなに寂しいだろうか。どんなに悲しいのだろうか。
 森田さんの「移ろう日々を紡いで」は、精神を病む妻を介護する男性の話である。


 自分が経験し得ない体験を小説は体験させてくれる。 だから面白い。