阿刀田高氏の 短編

 昨日の会は、阿刀田高氏の「迷路」を読んだ。阿刀田氏はブラックユーモアと奇妙な味わいを特徴とする短編小説の名手だというので期待して読んだ。
 確かに奇妙でこわい話である。井戸に捨てた死体が消える……?
 風洞で流された?
 強い薬で消えた?
 ー遺伝かな?ー

 
 母ちゃんはあい変わらず井戸の底から見上げている。
 初めのうちは優しい目つきだったけれど、三日もすると、目はもうなにも言わない。
 白く濁ってブヨブヨと水に浸かっている。頬っぺたは灰色になって触ればベロンと剥げそうだ。
 −もう死体が消える頃だー


 本当に怖い。短い中に読み手を引きつける何かがある。
そこが短編小説の名手たる所以であろう。

 
 「阿刀田高」をインターネットで調べた。沢山の本が紹介されている。
 読んでみよう。
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