3月並みの暖かさ

 今日は神戸に行く日だ。温かいので薄着で出かけた。暑がりの私は、着すぎると気分が悪くなる。白いブラウスに上着、といういでたちは今日の私には丁度よい服装だった。百貨店の暖房の中でも、気分良く過ごせたのだから。
阿倍野近鉄に寄った。社員割引の特売日だった。半額からまだ10〜20パーセント引いて買える物もある。中には70〜80パーセント引きも……。そうしてまでも売ってしまいたいのだ。


 今日の合評は富田氏の「ひと夏の出来事」と安田氏の「引っ越し」という作品。どちらも力作だ。
 「ひと夏の出来事」は、定年退職した主人公会津は妻と二人暮らしであるがある日、図書館でよく見かける小高冴子と出会う。
 「気詰まりな空気の中で妻と向き合っているより、外へ出る方が気が晴れる。六甲の山すそは夜に行きかう車は少なく、町は静かに佇んでいる。ときどきはるかを走りいく電車の音が聞こえてくる。武庫川を隔てた丘に建つ高層マンションの明かりが、夜闇に入った無数のホタルイカのようにきらめいている」と、美しい文章で二人の出会いが綴られて、素敵な作品だ。
 また「引っ越し」は、父も母も亡くし祖母に育てられた少年が、就職し祖母の元から巣立っていく喜びを、過去を紐解きながら自分史的に謳い上げた大作である。

 読み応えのある二作品に感動して帰ってきた。