ニューイヤーコンサート

 井上さんに誘ってもらって「Meet the Classic vol.22」 関西フィルハーモ二―管弦楽団のコンサートをいずみホールへ聴きに行った。
「 華麗なる二ューイヤ―コンサート!2011年の幕開けを飾るウィーンの調べ」と題し、第1部アンダーソン作曲舞踏会の美女、メンデルスゾーン作曲夏の夜の夢、ラフマニノフ作曲パガニーニの主題による狂詩曲作品43の三曲だった。
 三曲目のラフマニノフの曲には、イタリア・ミラノで活躍するピアノの貴公子、吉川隆弘が登場し、素晴らしいピアノ演奏だった。吉川氏は兵庫県西宮市出身のピアニストで、現在はミラノを拠点にソロ、室内楽で活躍中とのこと。
 楽譜も持たずに登場し、広い舞台中央のグランドピアノで、大勢の管弦楽団をバックに華麗なタッチでラフマニノフを弾く吉川氏はまさに貴公子だった。アンコールに応えてのもう一曲も素晴らしく、後ろに居並ぶ関西フィルの人も感心して聴いているようだった。
 以前に聴いた雅楽師「東儀秀樹」に勝るとも劣らないくらい感動した。

 
 この日、私はもう一つ「プロ根性」を見る機会を得た。ツインビル三階の蕎麦屋で昼食をとっていた時のことである。
 窓の外に見える広場に車が綺麗に整列している。「あれ、こんな所に駐車場があったっけ?」と思い、良く見ると、だんだん沢山の人だかりがしてきた。
 カメラを固定し、小道具らしきものが並べられ、人々の動きを観察すると、どうもこれはドラマの撮影らしいと気づいた。では、俳優は誰なのかしら?
 尚よくよく見ていると、一人の女優さんが目に着いた。ピンクのスーツを着ている。顔立ちから、テレビでよく見かける高畑淳子さんらしい。
 下へおりて近づいてみると、やはりそうだった。冷たい風が吹き、寒空なのにコートを脱ぎ、スーツ姿で何度も何度も監督のオッケーが出るまでとり直しを繰り返している。他の役者さん達は、手をこすったり、息を吹きかけたり、寒そうなしぐさをしているが、彼女は平然と背中を伸ばして、寒さなんて微塵も感じていないように見える。「プロだな」と感心した。

 ちなみに、テレビで見るよりずっと綺麗でスマートだった。