48分発新快速

 神戸の講座は21時30分で終了する。しかし、今日の二作は共に力作の安田氏の「アルタイの首」と森田氏の「大入袋」で、ともに約100枚程の力作だった。従って皆の批評にも力が入り、講師先生も熱心な講評だった。
 延長して、終わったのが21時45分過ぎ。一番先に教室を飛び出し駅に走ったが、いくら駅前のビルに教室があるとはいえ、48分発の新快速は出たところだった。
 始めてこの新快速に乗り遅れたので知らなかったが、50分に快速があった。駅に着いてがっかりする間もなく快速がホームに滑り込んできた。
 この快速は比較的空いており、楽々座ることができた。
 よかったと一安心して、今日頂いた次回の作品、菅野雪虫氏の「橋の上の少年」を読み始めた。この作品は私の好きな文体だ。面白そうだ。読んでいるうちに、はっと気が付いた。大阪京橋で、いつもの快速に乗れるだろうか。神戸ー大阪は新快速で20分程だが快速では30分かかる。従っていつもより12分、大阪に着くのが遅くなるわけだ。
 大阪駅で27分発の環状線に乗ることが出来た。大阪ー京橋は7分、京橋発36分の快速に乗れた。これはいつも乗る電車である。
 結局いつもどおりに帰るこどが出来たわけである。これからも45分まで延長してもいつもどおりに帰ることが出来るのだ。
 息せき切って携帯で事態を報告する私の耳に、
「そんなに急ぐな! また転んだらどうするねん! 」
と、夫のどなり声が飛び込んできた。そうだった、この間転んで出来た額の瘤、まだ治っていなかった! 額の瘤は前髪で隠し、頬の内出血の黒ずみは化粧で隠して出かけていたのだった。