ニッポンの伝統芸能

 「歌舞伎」「文楽」「能」は、日本が世界に誇る伝統芸能である。この三者について記した文章に出会った。

 
 歌舞伎  400年の歴史を進化しながら今に          生きる
  「かぶき」という名称が歴史上に登場したのは江戸幕府開府の年、出雲の阿国という女芸人の一座の踊りが始まりとされる。その後50年の間に遊女かぶきや美少年たちによる若衆かぶきが大流行したが、江戸幕府が風紀の乱れを理由に禁止したため、成人男性による野郎歌舞伎が台頭、歌舞伎の原型が完成した。

 
 文楽   世界に誇るドラマティックな人形劇
  「平家物語」を語り聞かせた琵琶法師の平曲は、のちに楽器を三味線に変え、浄瑠璃として親しまれ、さらに人形が加わり「人形浄瑠璃」へと発展。17世紀には竹本義太夫の語りあ「義太夫節」として流行し、近松門左衛門のすぐれた戯曲とともに人気を独占した。文楽の物語は大人が楽しめる本格的なもので、ストーリーを的確に表現し、人物の心を語る太夫、三味線の浄瑠璃と、三人遣いの技法によって生きているように見える人形の演技が一体となって生出される。世界に誇る高度な人形芸術といえる。

 
 能    伝来、融合、進化、発展した幽玄の世界
  能の原型は奈良時代に大陸から渡来した「散樂」が日本古来の民間芸能と融合した 「猿楽」。当時は寺社の祭礼で演じられ、鎌倉時代に役者集団が寺社公認の「座」を結成し、各地で活躍した。そして、14世紀には観阿弥が物まね芸を主体としていた猿楽に歌舞的な要素を取り入れ、音楽性を重視。息子の世阿弥が幽玄の世界を理想とする高度な舞台芸術に磨きあげた。”心で観る”といわれるその神秘的な厳粛な能の舞台から読みとれるものは何だろうか?


 三者それぞれにすばらしい芸術である。国立文楽劇場は大阪にあり、私の家からも比較的近いし、友人に誘ってもらえたりするので、一番観る機会がある。
 歌舞伎は京都の河原町四条の「歌舞伎座」で、長男に招待券を貰って2度ほど観に行った。7〜8年前だろうか、一番前の席で観た時はとても感動したものである。
 私にとって、能は一番馴染みが無く2度ほどお目にかかったという程度である。能舞台は時々みかけるが、ちゃんと観たのは1度くらいかな? 
 
 東京の千駄ヶ谷国立能楽堂があるそうだ。機会があれば観に行ってみたいものだ。