興福寺阿修羅立像

 
  ならやま通りから押熊通りを通って、奈良大学の裏手の道から西大寺に抜ける道で平城宮趾に至る。以前、この道で奈良へよく行っていた。薬師寺唐招提寺、西の京、赤膚焼、そして、東大寺春日大社、ならまち……。
 今日は久しぶりにこの道を通って奈良市興福寺へ行った。以前は静かだった平城宮趾の辺りは、1300年祭関係の係りの人も多く、車の行き来も激しい。

 興福寺は今、開館50周年を迎えた国宝館では、装いを新たに「生まれ変わった興福寺国宝館」を開催中だ。阿修羅像をはじめとする八部衆十大弟子像のほか、金剛力士像、天燈鬼、龍燈鬼像などの名宝が美しい照明で展示されている。

 「阿修羅像」は、正面の顔はあどけなさがのこった童顔だ。左側の顔は唇を噛んでいるように見え、右側の顔は自分の心を見つめているような内省の顔だ。6本の手は細く長い。美しい像だ。たくさんある仏様の中で一際美しい像だと思う。