関西同期会

 高校の関西同期会が京都で行われる。京都駅から山陰本線、32番線ホーム嵯峨野線で、嵯峨嵐山駅下車。山陰線は始めて乗るが、円町や二条、花園など馴染みの駅名が続くのでなんだかほっとする。しかし、円町や嵯峨野の地名を聞くと、13年前に亡くなった妹のことをいやでも思いだす。妹の家は広沢の池のすぐそば、広沢池下町にある。妹の家族はそこに住んでいるが、妹がいなくなった今では、ほんのたまにしか私は訪れなくなった。妹との思い出は、この嵯峨野に沢山ある。
 嵯峨嵐山駅に着き、改札を出ると隣が嵯峨野トロッコ列車の始発駅「トロッコ嵯峨駅」である。これは嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線)で嵐山、保津峡、亀岡を結んで走る鉄道である。ここでは竹林散策や四季の変化に富んだ沿線風景や保津川下りを楽しむことができる。
 生憎、今日は雨模様でトロッコでの楽しみはあきらめる。
 早速、昼食場所へと移動する。料亭「福家」で懐石料理を頂きながら歓談。時間も忘れておしゃべりしました。
出席者は、世話役でいろいろお世話いただいたのは岩森さん、図子さんで関野さん、奥田さん、植田さん、星野さん、そして私の7人だった。
坂井さんが用事のため、急きょ欠席となる。残念だった。
 私が故郷の友達と会えるきっかけを作って下さった福島三郎さんが欠席だったのはとても残念である。
 3年前まで私は故郷の友達は誰一人消息を知らなかった。高校3年で大阪に来て、大学を出て就職し、結婚し、仕事、子育て、家庭と本当に忙しい月日だった。
 だから母が亡くなって、実家のお墓参りに故郷へ行っても、幼馴染の消息は誰ひとり分からない。
 ”誰かに会いたい”と 心から思った。
 そういう私を救ってくださったのが福島三郎さんだった。彼は高校時代だけ一緒の同級生だ。そんな私を、この広い関西の、とてつもなく多い人口の中から、見つけ出して下さり、故郷へ、幼馴染へ、私を結びつけて下さった、いわば恩人だ。今度こういう機会があれば、ぜひお会いしたいと思っている。
 さて、世話役の岩森さんが、高校時代のクラス写真の、名入れの作業を根気良くして下さったことにより、その資料もあって、高校時代に一足飛び。話が盛り上がった。
 その後、それぞれの近況報告。ボランテイアの話、病気克服の話、介護の苦労等、話は尽きない。
 場所を移して喫茶店でまたひとしきり盛り上がって、散会した。
 同じ時間を共に過ごした経験はこれほどまでにも心に残るものかと感激した。